感謝に満ちて『讃美歌21』の歌詞によるドイツ・コラール KRS454
水野隆一指揮 関西学院聖歌隊

 「感謝に満ちて『讃美歌21』の歌詞によるドイツ・コラール」

【収録曲】

1. 感謝に満ちて NUN DANKET ALLE GOTT

2. ひとよ、汝が罪の O MENSCH, BEWEIN

3. 血しおしたたる HERZLICH TUT MICH VERLANGEN

4. 復活の主は CHRIST IST ERSTANDEN

5. 主はわが罪ゆえ CHRIST LAG IN TODESBANDEN

6. 来たれ聖霊、わが主 KOMM, HEILIGER GEIST, HERRE GOTT

7. あかつきの空の美しい星よ WIE SCHÖN LEUCHTET

8. いま来たりませ NUN KOMM, DER HEIDEN HEILAND

9. 「起きよ」と呼ぶ声 WACHET AUF

10. 踊れ、わが心 FRÖHLICH SOLL MEIN HERZ SPRINGEN

11. ほめたたえよ、力強き主を LOBE DEN HERREN

12. いと高き神に ALLEIN GOTT IN DER HÖH SEI EHR

13. 愛するイエスよ LIEBSTER JESU

14. 世の罪除く CHRISTE, DU LAMM GOTTES

15. 幸いな人 WOHL DENEN

16. 深き悩みより AUS TIEFER NOT

17. 神はわが砦 EIN FESTE BURG

18. 愛する神にのみ WER NUR DEN LIEBEN GOTT

19. 主なるイエスは JESU, MEINE FREUDE

20. 今やこの世に O WELT, ICH MUSS DICH LASSEN

歌詞は『讃美歌21』(日本基督教団讃美歌委員会編)
編曲は、パッヘルベル、J.S.バッハ、シュッツ他、から現代の作曲家の作品より採用。

【説明】

16世紀、宗教改革の頃、プロテスタント教会において、一般会衆が参加して賛美歌を歌うことをを目的に作られた"コラール"。このCDは、日本の多くの教 会の礼拝で実際に使われている『讃美歌21』の歌詞で、アカペラ混声と、リコーダー伴奏4曲を含む20曲が収録されている。

ドイツ・コラールは、合唱やオルガン、器楽作品として編曲され、また受難曲やカンタータとして和声付けした古今の作曲家たちの優れた編曲があり、普段、 我々はその音楽で耳にしていることが多い。この録音では、原曲及びその編曲のハーモニーを節ごとに採用するなどして多様に味わえるように工夫されている。
たとえば「今やこの世に(O WELT, ICH MUSS DICH LASSEN)」1555年頃(作者不詳)は別れの賛美歌として知られているが、曲はハインリッヒ・イザークの流れるような美しいリート「インスブルック よさようなら」が原曲、録音では1節、2節で演奏。一方、3節はJ.S.バッハ「マタイ受難曲(BWV244/10)」の四声体で「十字架の主をかたく信 じて、旅立ちゆこう..」と天にむかって高らかにうたわれる、深く胸に残る賛美歌である。また、「起きよ、と呼ぶ声」(フィリプ・ニコライ)はバッハのオ ルガン曲(BWV645)やカンタータで有名。

関西学院聖歌隊は1951年創立、日頃大学の礼拝や教育活動で音楽を通じて奉仕しながら、伝統的宗教曲から現代の世界の賛美歌など幅広いレパートリーに取 り組んでいる。常任指揮者は同大学神学部教授の水野隆一氏(ヘブライ語聖書学、神学博士)。氏は日本キリスト教団讃美歌委員長として『讃美歌21』の普及 に尽力し実践解説も多数。

この録音では学生達のやわらかい声が新鮮で、しっかりと賛美歌の内容をとらえながらも、のびのびとした印象。現代に生きる我々の平和への願いが託されてい る。また、賛美歌に馴染みない人にとっても、歌詞がこのように日本語ではっきりと示されることは、宗教音楽のメッセージに親しく近づくことのできる格好の 1枚になるだろう。

(ジャケットには歌詞、及び解説付き。)

【演奏者プロフィール】

水野隆一 Ryuichi Mizuno

関西学院大学神学部教授。関西学院大学博士(神学)。
専門は、ヘブライ語聖書学。ことに物語の文芸批評的解釈を中心に研究している。
1963年大阪生まれ。関西学院大学大学院神学研究科博士課程前期課程修了(神学修士)、南メソジスト大学パーキンス神学院(アメリカ・テキサス州ダラス)修了(M.T.S.)。
日本基督教団讃美歌委員会委員(現在委員長)、関西キリスト教音楽講習会実行委員。
関西学院大学在学中は関西学院聖歌隊に属し、学生指揮者を務めた。
宗教音楽の歌詞を大切にし、その意味や言葉の持つイントネーションやアクセントに基づいて楽曲を解釈することを、基本的な立場としている。また、楽曲の様式や、作曲された時代の演奏方法などについて、最新の研究の成果に基づいた演奏を心がけている。
著書に『アブラハム物語を読む−−文芸批評的アプローチ』(関西学院大学研究叢書115編。新教出版社、2006年)、他論文等多数。『Thuma Minaつかわしてください——世界のさんび』、『Thuma Minaつかわしてください——世界のさんび2』、『讃美歌21合唱曲集』(全8巻)の編集に共同で携わる(日本キリスト教団出版局)。

関西学院聖歌隊 Kansei Gakuin Choir

1951年創立。関西学院大学の学生をメンバーとする混声合唱団で、関西学院のスクールモットー “Mastery for Service”(奉仕のための練達)を、音楽を通じて実践することを目的としている。学院・大学におけるチャペル、式典での奉仕を中心に、教会での礼拝 における奉唱、演奏旅行、定期演奏会、《メサイア》コンサートなど、精力的な活動を行っている。
レパートリーは、単旋律聖歌、ルネサンスの合唱曲から現代作曲家による教会音楽作品までと、幅広い。ことに、賛美歌の普及と発展に貢献することを願っ て、賛美歌を様々な編曲で演奏している。同時に、ヨーロッパやアメリカ以外で作られ、歌われているうたや、新しい視点で書かれた賛美歌を積極的に取り上げ ている。
既刊CDの『Thuma Minaつかわしてください——世界のさんび』(2006年)では、アジアやアフリカなど世界のキリスト教音楽を取り上げている。また、『いかに幸いな 人』(2009年)では、コラールと並んでプロテスタント賛美歌のルーツであるジュネーヴ詩編歌を、グディメル、スヴェーリンクなど16〜17世紀の編曲 で演奏して、好評を得ている。田中彰寛、洲脇光一、曽山一夫が指揮・指導をしてきた。

【仕様】

ジャンル/アカペラ、混声合唱、宗教曲(音楽史)

収録/73分27秒 全20曲